Q ギャンブルで作った借金を破産で免責するのはけしからんのではないですか?
■貸す側も悪い?!
「ギャンブルの借金でも自己破産できる」という記事を出しました。
破産というのは最終的に、借金を事実上消滅(免責)させるにする手続です。
が、これに対して「ギャンブルで借金を作っておいて、踏み倒すなどけしからんではないか」という声もたまに聞きます。
おっしゃることは理解できます。
ただ私は、「貸す側も悪い」と思っています。
「えっ、どういうこと?!」と思われた方もいるかもしれません。
私の経験を踏まえて、理由を説明します。
■消費者金融はギャンブル依存症とわかって勧誘してくる
これは過去の依頼者の実話です。
その方はギャンブルにハマって借金を作ったんですが、いったん親族が肩代わりして一括返済しました。
※このような行為は「イネイブリング」といって、依存症を悪化させます。絶対にやらないでください。
ところがしばらくして、消費者金融の側から本人に勧誘の電話があったんです。
「また借りませんか?」と。
これってアルコール依存症で酒をやめている人を飲みに誘うようなものではないですか?
もちろん誘いに乗った側も悪いです。
でも誘う側にも問題あると思いませんか?
こういうと「消費者金融はその人が依存症だと知らなかったのでは?」
という反論もあるかもしれません。
ですが消費者金融側は、その人がギャンブル依存症だと絶対わかってやっています。
なぜなら過去の取引履歴を見れば、給料日直後にお金借りるなど、異常な借り方があるからです。
消費者金融というのは、こういうこと平気でやるものです。
なので私はギャンブルで破産する人が一方的に悪いとは全く思っていません。
なおこれらは私の一司法書士としての考え方であり、所属する団体を代表するものではないことにご留意ください。