Q ギャンブルで借金を作ると破産できないというのは本当ですか?
■嘘。ネットの誤情報にだまされないで
「ギャンブルで借金を作ると破産できない」
これも本当に信じている人が多いですが、はっきり言います。
嘘です。
確かにギャンブルだと破産※を認めませんよ、いう規定はあります(破産法252条1項4号。免責不許可事由)。
※厳密には破産と事実上借金が消えること(免責)は別ですが、このページでは同義として解説します
ですがその一方で、破産を認める・認めない決定にあたっては、裁判官に裁量があります(第252条第2項)。
実際には破産が認められるケースが大半なんです。
出典:日弁連「消費者問題ニュース191号」2017年「破産事件及び個人再生事件記録調査」P42
ご覧の通り、破産が認められないケースは、わずか0.57%です。
「ギャンブルで破産できない」というのは嘘、と言って差し支えないわけです。
ネットには破産に関して、無責任な誤情報があふれかえっています。
鵜吞みにせず、弁護士・司法書士が実名で書いている記事をまずは読んでください。
■ただし時間とお金がかかるおそれが大きい
ただし、簡単には考えないでほしいです。
免責にあたっては、本人がきちんと反省していることはもちろん、ギャンブル依存症の場合には自助グループ※に参加していることなどが考慮されます。
※自助グループ=同じ問題をかかえる人たちが集まり、相互理解や支援をし合うグループ。
また破産手続には、①破産管財人が就かない手続(同時廃止)と②破産管財人が就く手続の2種類があります。
ギャンブルによる破産の場合、後者の②の手続になる可能性もあります。
この場合、20万円から※の予納金が必要なケースが多いです。
※札幌地裁の場合
それでも借金の不安を抱えて今後の人生を送るよりはずっとマシなのは間違いありません。
弁護士・司法書士へのご相談をお勧めします。