任意整理、自己破産、個人再生それぞれのメリット、デメリット
任意整理、自己破産、個人再生の概要、メリット・デメリット
債務整理には、大きく分けて次の3つがあります。
ごく簡単に説明すると、次の通りです。
1.任意整理
借金を分割で返済する。基本3年、長くて5年。
メリット:借金をした理由を問わず使える
デメリット:原則として、元本相当額以上は返済しなければならない。
2.自己破産
i)一定の財産は換価し、債権者に分配する
ii)その上で分配できなかった金額について免責
※ただし7割程度のケースで、iの手続をしないことがあります(同時廃止)。
メリット:債務が免責される
デメリット:不動産などがあれば手放さなければならない。一定の職業は、破産開始~免責確定まで(2か月~数か月)辞めるか、勤務先に部署の異動などを配慮してもらわなければならない
制限される職業の例 保険外交員、宅地建物取引士
会社の役員の場合、一度は退任しますが、株主総会での再任は可能です。
3.個人再生
裁判所の認可により、債務を大幅にカットし、3年で返済。
例)約500万円→約100万円
メリット:債務が縮減される。不動産などは手離さなくてよい。
デメリット:費用が高い。比較的安定した収入でないと裁判所の認可は下りない。
3つの方法のどれが最適か?
これら3つの方法のうち、どれが最適かは、相談者のお話をよく聞かせていただいた上で、次のような項目を総合的に踏まえて判断します。
その他、個別の事情があると思いますので、面談時に遠慮なくお聞きください。
・本人の収入で、3~5年の分割返済が可能か
・借金をした理由(ギャンブルなど破産免責不許可事由が含まれているか)
・不動産などを、大きな資産を手放したくないか
・個人事業主の場合、什器備品・在庫品などの換価価値がどれくらいか
・生活保護を受けているか
・破産で制限された職業に就いているかどうか
共通すること
いずれの方法を取った場合でも、共通することがあります。
1.債務整理は家計簿に始まり、家計簿に終わる
家計簿は必ずつけてください。
自分の収入、支出を把握することで、お金の使い方や、なぜ借金をすることになったのか、考えるきっかけになります。
2.信用情報機関に登録される
俗に「ブラックリスト」と呼ばれるものです。
これにより、任意整理の場合は完済から(返済開始からではありません)5年間、破産・再生の場合は5~10年間、登録されます。
信用情報機関の代表例
株式会社日本信用情報機構(JICC)
株式会社シー・アイ・シー(CIC)
全国銀行個人信用情報センター(KSC)
3.原則として、家族・友人・職場に秘密でできる
ただし以下のような場合などには、秘密で進めることが困難な場合があります
ケースバイケースですので、面談の際にお聞きください。
・債権者やその保証人の中に、家族・友人・職場が含まれるような場合
・ご家族と同居で、債権者が訴訟を起こしてきた場合(訴状等が届きます)
当事務所に依頼するメリット
1.受任により、貸金業者からの請求が止まる
貸金業者は、弁護士・司法書士からの代理受任通知があったら、請求・督促を止めなければなりません。
ただし個人からの借入の場合には、本人に直接請求が行く場合があります。
2.より有利な条件で和解できる確率が高い
理屈の上では、本人交渉での和解は禁止されていませんが、お勧めしません。
あくまでも一般論ですが、貸金業者は本人が和解交渉してきた場合、「経過・将来利息をつけろ」「返済月額をもっと高くしろ」など、強気に出てきます。
和解しても、途中から返済できなくなるような案では意味がありません。
当事務所では、できる限り、「元本での和解」「本人に無理のない返済月額・返済期間」を目指して交渉します。
ただし相手のあることのため、全てのケースについて、無利息、希望通りの和解成立をお約束するものでないことをあらかじめご了承ください。
3.知識と経験に基づき、適法に、全体のバランスを考えた和解
例えば手元に10万円あり、A社に90万円、友人Bに10万円の債務があるとします。
どちらも無担保として、この場合、どのように返済すべきでしょうか?
答えはA社に9万円、友人Bに1万円です。
ところが一般の方は、「Bだけでも完済しよう」とか「友達だから」という理由で、全額Bに返すようなことをしてしまう方がいます。
これは偏波弁済(へんぱべんさい)といって、やってはいけないことです。
後にやっぱり破産、となった際に、この件が問題になることがあります。
当事務所ではこのようなことのないよう、適法な和解を心がけています。
費用について(税別)
■任意整理
報酬1件2万円
1契約につき(債務総額ではありません)、元本が140万円以下のものに限ります。
■自己破産
書類作成報酬 20万円
個人事業主の場合 +5万円
予納金(同時廃止) 約1万5000円
予納金(管財) 約20万円
■個人再生
書類作成報酬 30万円
予納金 約30万円
当事務所は、法テラスによる法律扶助に対応しています。
その場合は、法テラス基準の報酬となります。